電子書籍は標準フォーマットでDRMフリーに

小さな機器ひとつで多くの本をいつでもどこでも読めるということが電子書籍の大きなメリットのひとつである。これは、本当だろうか?

現在、電子書籍のフォーマットには、TEXT, HTML, XHTML, ePub, PDF, JPEG, アマゾンKindleのAZW, 日本発の規格でシャープのXMDF, ボイジャーの.bookなどたくさんある。また、電子書籍を読むことのできる機器も、Windows, Mac, iPad, Kindle, 各種タブレット機, iPhone, Android携帯, その他各種携帯などなど、こちらも乱立状態だ。そうなると、困ったことが起きる。iPadで読むために電子書籍をたくさん買ったが、2年後にiPadが壊れたので他の機器を買った。新しく購入した機器に購入した電子書籍が読めるソフトが入っていればいいが、入っていなければ今まで買った本が読めなくなってしまう。こうなると、電子書籍は紙の本よりずっと不便なものになる。 もしその本のフォーマットがTEXT, HTML, PDF, ePub, JPEGなどの標準フォーマットなら多くの機器がサポートしているからこんなことは起きない。しかし、マイナーなフォーマットや独自フォーマットだとその危険性は高い。日本の電子書籍が多く使用しているXMDFや.bookなどは日本では標準だが国際的にはマイナーな方式だ。これらが5年後10年後の機器で読めるだろうか?未来でなくても、今でもKindleや海外で出ている機器では読むことはできない。

フォーマット以外にも、アプリ形式の本の問題もある。iPhoneやiPadなどでは電子書籍をアプリとして販売しているものがあるが、これらは他の機器では読むことができない。購入する人はそれを理解して購入しているだろうか。

もうひとつ、DRM (デジタル著作権管理) の問題もある。たとえば、iPad用のiBooksではePubフォーマットの本を読むことができるが、これにはDRMがかかっている。私が購入したiBooksの本は他の人のiPadでは見ることができないが、私が複数のiPadやiPhoneを持っている場合はそれらで見ることができる。これは著作権管理として問題ない。ただし、私がiPadからAndroidタブレットに乗り換えた場合はどうだろうか。AndroidタブレットでもePubフォーマットの書籍は読めるが、アップルのDRMのかかっているePubは読むことができない。これは、iTunesで購入した音楽がソニーウォークマンで聞くことができないのと同じだ。ただ、iTunesでの音楽だと一度CDに焼くことでDRMが解除され他の機器でも再生できる。ユーザーのためにこういう仕組みになっている。しかし、iBooksの場合はこのような仕組みにはなってないようだ。アップルで購入した本はあくまでもアップルの機器でしか読めないようになっている。これはアップルのiBooksだけでなく、有料で売られているほとんどの電子書籍に当てはまる問題だ。

この問題はデジタル化が先に進んだ音楽が参考になる。iTunesでは当初全ての楽曲にDRMがかかっていたが、今ではDRMフリーの楽曲が売られるようになった。また、アマゾンで販売しているダウンロード音楽は全てDRMはかかっていない(残念ながら日本では購入できない)。電子書籍の場合もDRMフリーにし、かつフォーマットはePubやPDFのような標準フォーマットにすべきだと思う。そうなると、一度購入した本はどの機器でもいつまででも読めることになる。もしDRMフリーが無理なら、もうひとつの解決方法がある。本を出す出版社(者)がユーザー管理をし、一度購入した客には他の機器用のファイルは無料で提供する方法である。ただ、各社が独自にユーザ管理をする必要があるし、その出版社がずっと存続する保証はない。やはり標準フォーマットでDRMフリーの方法が一番だ。そもそも、紙の本はいつでもどこでも読めるしDRMフリーだ。

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6 Responses to “電子書籍は標準フォーマットでDRMフリーに”

  1. キキ より:

    紙の本はDRMフリーなのでしょうか?
    印刷&出版されたものだけが、流通するわけで、
    同時に複数開きたい場合は、複数購入する必要があり、
    iPadなりが壊れたというのは、本を汚したり、
    無くしてしまったようなものでは?

  2. ナナ より:

    ペータで録画したビデオテープをVHSの機器でも
    再生できるようにしてほしい。

    ファミコンでしかできないゲームを買ったけど
    xBOXでやりたい。

    東北新幹線に乗ったけど、大阪に行ってくれ。

    そう言っているようにしか見えません。

    再生機材の乗り換えなどはユーザーの勝手であり
    それにメーカー側が付き合う必要があるとは思えません。
    それをさせないために、有用なコンテンツを増やすのが
    メーカー側の使命です。

    一つの技術が開発されたときに
    各社が技術競争をするのは当然であり
    淘汰され、生き残る機器を選ぶことが
    ユーザーには求められています。

  3. 通りすがり より:

    そもそもデジタルコンテンツではないので、DRMという概念が有りません。
    「複数開くためには複数購入が必要」「汚損すると読めない(買い直さないといけない)」というのは紙媒体という物理的制限によってもたらされているのであって、「著作権保護がかかっている」わけではありません。
    デジタル化(電子化)によって、上記のような物理的制約から解放されるのは電子化のメリットの1つであり、「読んでいた端末(iPadなど)が壊れる」「端末を乗り換える」ということと、紙の本でいう「本が損傷・破損・汚損する」というのを一緒くたにするのはナンセンスです。「本が損傷・破損・汚損する」ことをデジタルコンテンツで当てはめるとすれば、音楽でいうところのCD(iTunesからダウンロードした音楽だったらそのデータ)が破損する、といった「大元のメディアが壊れる」といったところでは無いでしょうか。
    もう少し丁寧に言うと、今までは紙の本(ハードウェア)に内容(コンテンツ)を「印刷していた」ので、ハードとソフトが一緒に売られていましたが、デジタル化されることによって、このハードとコンテンツ(あるいはソフトと言ってもいい)が切り離されるようになり、出版社、著者はハードウェアを出す必要は無くて、コンテンツだけ出していればいいということになる。であれば、出版社、著者にとって価値があるのは、本の中身、つまりコンテンツだけということになるのではないでしょうか(著者や出版社によっては、ハードカバー本にするだとか、紙の本の装丁にも拘り、そこにも価値があるんだ、というところもあるでしょうが、そういうのはとりあえず置いておいて)。
    つまり、今までは、出版する側が「紙の本(ハードウェア)」とその中に印刷される「本の中身(コンテンツ)」両方をまとめて提供していた。デジタル化によって、本の中身だけが端末で読まれるようになり、端末(ハードウェア)は端末メーカー(Apple、SONY、SHARP、Amazon・・・)が提供し、本の中身(コンテンツ)だけを出版社、著者が提供するようになる。であれば、コンテンツが読まれる端末が壊れた、あるいは端末を買い換えたからといって、それを提供していない出版社・著者が、新しい端末で買い直せ、というのは違うんじゃないか?ということです。
    音楽で、ウォークマンやiPodが壊れたからといって、その中の音楽、全部買い直せなんて言われますか?言われないでしょう。
    コンテンツを出す側も、ユーザーが端末壊すたびに、買い換えるたびに買い直させて二重三重課金して儲けてやるぜゲヘヘなんて考えていないと思います。
    DRMはその名の通り、不正コピーを防止するためのものです。もし、これが無くても不正コピーがされない確証があるなら、コンテンツ供給側もDRMなんかかけないでしょうが、実際には残念ながらそんなことは無いので、DRMが掛けられる。すると、正規のユーザーが不利益を被るわけです。
    βマックスなどを引き合いに出されていますが、あれとは性質が異なると思います。
    電子書籍は音楽と同じように、PCに取り込んで携帯端末にコピーされて読まれるというのが主になってくると思います。今はネット配信が主ですが、必ずパッケージ販売はされるようになると思います。そして、PCで管理して、端末に転送して読む、というスタイルになる。そのとき、DRMがかかっていて同じ端末でも何回か転送しているうちに制限にぶち当たって読めなくなる、端末を買えたらコピーできなくなる、というような本を、果たしてユーザーは買うでしょうか?買うとしても、相当安くしないと買わないと思います。紙の本と同じ値段なら、まず買わないですね。だったら紙の本を買います。
    言っておきますが、紙の本を”自炊”すればDRMフリーなんです。PDFで自炊すれば、PDFが利用できる端末ならどれでも読めるんです。変な制限のせいで何回かコピーしたら終わりなどとならないんです。今の自炊の横行は、欲しい本がストアに無いというのが最大の理由だと思いますが、端末を買い換えても読みたい、半永久的に利用したいという心理に因るところもあると思います。
    上に書いたように、電子書籍は、汚損して読めなくなるといった心配がありません。であれば、一度それなりのお金を払って買った本は、ずっと読めるもので有って欲しい、端末が壊れたら、端末を買い換えたら、それまで買った本が全部パァなんて、あんまりでは無いでしょうか。

  4. ヌーノ より:

    私も電子書籍の規格標準化・DRMフリー化に賛成です。
    ビデオテープやゲームの例は、なるほど…と思いましたが、”通りすがり”さんの仰るように、それらと電子書籍とは単純に比較できるものではありません。

    テレビゲームの場合、そのソフトははじめからデジタルコンテンツです。企画段階から特定の機種向けに開発され、そのことがアナウンスされ、ユーザーはそれを理解した上で購入しています。映画などのDVDソフトも同様で、CDプレーヤーしか持っていない人はまず買いません。そのソフト・コンテンツはDVDプレーヤーを持っていないと楽しむことができないものだ、と理解しています。
    その機種・規格が廃れてしまえば、これらのコンテンツも失われてしまうもの、いってみればリリースされた機種・規格と運命共同体のようなものであることを、多くの人は受け入れているでしょう。
    しかし「書籍」はそうではありません。デジタルメディアが登場するよりはるか以前からこの世界に存在しているものです。書籍の価値はそこに記述されている内容がすべて(他の意見とかぶりますが、装丁うんぬんは別の話に…)であり、フォントが変わろうが、紙質が変わろうが、極端に言えば言語が変わろうが(もちろん訳者によって違うのも別の話に…)、文字さえ判読できればコンテンツの価値に支障を来すことはまずありません。
    ”規格が変わったので、この「本」は新しい機種では読めません”といわれても、なかなか受け入れにくいものです。先述したとおり、「本」というものは特定のフォーマットに依存しない性質をもってこれまで存在してきたわけですから。

    このあたりが、「一からデジタルコンテンツ」と「アナログからデジタル化したコンテンツ」の違いであり、性質も人々のとらえ方も異なるものなので、単純に比べることはできません。

    まあ、あと数十年経って「書籍」と「電子書籍」が全くことなる住み分けをするようになれば、「電子書籍」もゲームやビデオソフトと同じような扱いを受ける日がくるかもしれませんが、少なくとも”書籍”と銘打っている以上、DRMがあるおかげで読書の環境を著しく制限されるのは変だと思います。
    ましてやゲームソフトと同じように、端末が壊れたら大切な本や貴重な資料もただの化石になるのは、「本」と呼ぶには無惨な姿…

    ただし、今すぐDRMを解除しろというのも無理な話でしょう。
    深刻な違法コピーの問題しかり、法的に未整備な状態もしかり、デジタルコンテンツに対する世界的なモラルもしかり、現状を鑑みるに著作権者の不安ももっともですから。
    これらの対策を早急に行った上で「本」と「電子書籍」のありかたへの議論が深まってくれるといいのですが…

  5. sis より:

    すべては違法共有するやつのせいってことだね。
    やつらがその行為をやめれば、そもそもDRMなんて不要になる。我々正規ユーザーは、そういった違法者の犠牲となっている。
    もっと厳しく取り締まり、罰金を大金にすればいいのにな。
    警察に人手が足りないのかもしれないが、そこは多大な罰金から充てればなんとかなりそう。
    被害算定は難しいから、本1冊アップロードしたら罰金100万円とシンプルに。+出版社から民事訴訟で∞。

    先のコメントでトンチンカンなこと書かれてますが、本なんてゲームなどのプログラムと違い単純なもので、デバイスごとに分ける必要性がまったくない。すでにePubなどの仕様が決められてるわけだから、それに沿ったものを提供すれば、どんなデバイスでも読める。読めなかったらデバイスが悪い、ってことになる。

    ウェブはHTMLという仕様が決まってるから、WindowsでもMacでもiPhoneでもAndroidでもiModeでも、なにからでも読むことができる。これをWindowsだけ、とかiPhoneだけ、のウェブを作ったら意味が無い。

    そもそも、本はテキストを読む権利を、音楽は聞く権利を、映画は見る権利を買うわけで、紙やCDやDVDを買ってるわけではないのだ。

  6. 探しまくり より:

    >ただ、各社が独自にユーザ管理をする必要があるし、その出版社がずっと存続する保証はない。

    国内の出版社が共同出資して管理団体を作ればいいと思う。
    しかしそれをやりたくないってことかな。2度売りできないし。

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